研究成果のプレスリリースを行いました(J Med Chem掲載)

 


 

環状ペプチドのヒト血清アルブミンに対する結合様式を解明した研究についてのプレスリリースを、2020年11月13日17:00に行いました。

本研究は、環状ペプチド医薬品であるダルババンシンとヒト血清アルブミンの複合体構造をX線結晶構造解析によって決定したものです。環状ペプチドとアルブミンの複合体構造情報としては世界で初めて公開されるもので、環状ペプチドの体内安定性の制御・設計に大きく貢献するものと期待しています。

本成果は、長岡工業高等専門学校 電気電子システム工学科 和久井直樹助教、東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 博士課程 妹尾暁暢氏、東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻/化学生命工学専攻 津本浩平教授、東京大学 医科学研究所/大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 長門石曉特任准教授、理化学研究所 放射光科学研究センター 山本雅貴グループディレクター、株式会社リガク 応用技術センター 伊藤翔氏との共同研究によるものです。

論文は米国化学会 (American Chemical Society, ACS) が刊行する創薬化学分野のトップジャーナルであるJournal of Medicinal Chemistry誌に掲載されました。また、解析された構造データはProtein Data Bankで公開しています (PDB ID: 6M5E)。

 

プレスリリース

論文情報

Ito S, Senoo A, Nagatoishi S, Ohue M, Yamamoto M, Tsumoto K, Wakui N. Structural basis for binding mechanism of human serum albumin complexed with cyclic peptide dalbavancin. Journal of Medicinal Chemistry. doi:10.1021/acs.jmedchem.0c01578 (電子版早期公開)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jmedchem.0c01578

タンパク質立体構造情報 (Protein Data Bank)

Human serum albumin with cyclic peptide dalbavancin (6M5E)
https://www.rcsb.org/structure/6M5E